こんばんは。
今日、ようやく2週間の遠征から帰ってきました。
もう、ただただ、ひたすら、疲れて、身も心も、胃も、ヘトヘトです。
今回は、ジャックラッセルテリアのカイ君のアメリカ遠征。
あらたなアメリカチャンピオンのワイアーフォックステリアを連れて帰ってくること
モントゴメリテリアアソシエーションの、ワイアーフォックステリアクラブオブアメリカ
2年前のベストオブブリードを獲得し、その後英国に遠征し、日本産のワイアーフォックステリアで
初の英国チャンピオンを獲得したTAROUを連れて帰ってくることなど、かなりいくつもの
ミッションがあり、さらに翌週のコーギーナショナル、あらたなオーナーさんへの子犬たちの引き渡しと
盛りだくさんで、その盛りだくさんにすべて書類業務と手続き業務がついてまわるという
もう、その手間と精神的な疲労ともちろんアメリカでのモーターホームによる移動など
慣れないことで、だいぶ疲れました。
カイ君が、目標通りモントゴメリウィークエンドだけで5ptメジャーを3回とって
アメリカチャンピオンを完成!
という、まあ、けっこう、かっこいい!スタイルでフィニッシュできたので
よかったです。
1日目のベスト・オブ・ブリードは、ブレッドバイクラスからエントリーのRainbowが
並み居る全米トップランキングのアメリカチャンピオンたちを破り、オーバースペシャルで勝ちました。
ちなみに、BOSもわたしのブリーディングしたTribute息子のPadreでした。
2日目、3日目のベストオブブリードはやはりうちの大志君の孫にあたり
自分の血統がすごく強い繁殖の牡、Sakeでした。
4日目、モントゴメリーテリアアソシエーションの結果は
BOBがPadre、BOSはチェルシーの娘、Selectは大志の娘のAggieと
やはりBOBからSelectまで、わたしの自家繁殖犬の子どもたちが独占しました。
昨年も、Montgomeryはうちの繁殖犬やその子、孫たちがそろって入賞しましたが
今年もということでアメリカでも安定して認められてきたのかなという思いを受けました。
繫殖者としては、この上のないすばらしい結果と
この5年近く、アメリカに費やしてきた自分のエネルギーや情熱
それを、アメリカで託してきたブリーダーたちがしっかりと受け止め
質の良いブリーディングに励んだ結果が実を結んだのかなというふうに思います。
勝てば官軍という気持ちはまったくなくて、結果がでてうれしいという気持ちの一方で
自分の理想とするジャックラッセルテリアというものに対して
アメリカがまた少し違うベクトルに向かって歩み始めているような危惧も感じました。
アメリカでできているラッセルテリアたちが、自分にとっては少し、形が違ってきているような
犬種の解釈に微妙な違いがあるような、まだうまく消化できていないけれど違和感
みたいなものも、覚えたように思います。
わたしにとっては、ジャックラッセルテリア(ラッセルテリア)はあくまでもワーキングテリア。
健全に動けなくてはダメ。
健全に動ける、正しいバランスの構成のうえに、美しい頭部がついているというのが
ジャックラッセルテリアの解釈の基本にありますが
アメリカは、プロハンドラーたちの技術が並みならず上手なために
そこは、隠してはいけませんよ、そこは目をつむってはいけない部分です
という、ジャックラッセルテリアのかなめみたいな部分が、微妙にズレてきているような
違和感を感じました。
いまいちど、ジャックラッセルテリアとはどんな犬種なのかを
立ち返り、ふりかえり、考えながら進んでいきたいなと自分自身、思います。
とくに、このMontgomery Terrier Weekendというのは
ブリーダーとして、勝つとか負けるということより大事なものがあって
それは、ドッグショーを、「Breeder Show Case」というふうにとらえ
ブリーダーが自分が良いと信ずるものをドッグショーに来るさまざまな人々に見てもらう
披露することが大事で、さらに、ブリーディングの指針(ヒント)になるようななにか
パズルの1ピースみたいなものを見つけて帰ってくることに、遠征の意味があるのだと思っています。
このWeekendとは、そういう週です。
アメリカでは、審査員が審査資格をとるために、mentoringというシステムがあり
たとえばラッセルテリアの資格を取るためには、ラッセルテリアの審査リングに訪れ
ブリーダーやスペシャリストから、犬種についての説明、教育を直接受けるということが
必要となってきます。
自分も今回、何人もの審査員にMentoringを頼まれ、4日間毎日、自分がハンドリングする以外
Mentoringをして、犬種のサイズ、重要箇所、審査技法などについて解説をしてきました。
こうやって、適切な知識を備えた審査員を育てることもまた、ブリーダーの役目なのだろうと思います。
今回、Finnという子犬をアメリカのあたらしいご家族に渡しました。
その家族は、あの、Westminster kennel Clubでベストインショーを獲得した
ジンジャーカラーのワイアーフォックステリア、Afterall Painting Skyのブリーダーさんです。
こういう、テリアを長くしてきた方が、ジャックラッセルテリアを迎えてくれ、適切な知識を持って
ドッグショーに出してくれることもまた、ひとつのMentoringにつながります。
アメリカにいる、自家繁殖犬たち、その子どもたちのチェックもしてきました。
今回はアメリカでFrostyのハンドラーであり、Professional handler of the yearも獲得している
トッププロハンドラーのひとり、Greg Strongの家に滞在し、毎晩、日付が変わるまで犬談義に明け暮れました。
ひたすら、犬談義。
この、犬談義こそ、なにより大事な時間です。
アメリカにおける繁殖計画をよく話し合うことができました。
今回のMontgomeryに行き、約5年に渡ったアメリカへの種まきも実を結んだのかなという
気持ちで帰ってきました。
ここからは、どうやって、よき実をつみとり、また3年後、5年後の種まきへとつなげるか
それが自分の課題です。
あともうひとつは、大きな宿題をもって帰ってきました。
ウィナーがもらうリボン以上に大事なこと。
自分の育てた犬、さらに自分が育ててきたブリーダーたち、その人たちが育てた犬までが
勝つようになれたら、自分がブリーダーとして強くなったと言えるのかなと思います。
ほんとうに自分たちが、トップ・ブリーダーと胸を張れるようになるには
まだ宿題がたくさんあります。
今回も結果はかなり良かったとは思いますがそれでも
次回行くときには、もっと、アッと思わせる、ハッとさせる
自分たち以外の誰かに宿題を渡せるような犬を連れて行かれるよう
また、日々の犬育てに励みたいと思います。
もっと写真とかレポートとかあるんですが
とりあえず、今日の所はまだ気持ちもフラフラしててうまくまとまってなくてスミマセン。
子犬のお問い合わせや、見学の予約など、留守中に連絡くださった方ごめんなさい。
明日20日以降でお電話もしくはメールでお問い合わせください。
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ぜひみなさん、読んでくださいね。
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こちらのほうも、ぜひお楽しみに。
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接し方など、きちんとアドバイスさせていただきます。
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なお、商業としての繁殖を目的とされる業者さんへの譲渡は一切行っていませんので
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