2月6日朝日新聞11面より。 | 14:49 |
今日、ケネルの掃除をしていて、お掃除用の新聞の山の上にこの記事があって
思わず手を止めて読んでしまったら、すごく自分のいいたいことに近いことが書かれていたので
スクラップしました。
ぜひ、読んでみてください。
<論点_相次ぐ犬の遺棄問題について>
ペット問題研究家、山崎恵子さんの論点。
「消費者にも責任の一端」
この問題の根っこを理解するには、ペットしての犬を取り巻く現状を多面的にとらえなければならない。
まず、売れ筋の犬種を何種類も大量繁殖させるのは「繁殖業者」であり
「ブリーダー(=繁殖家)」ではない。
私の周りにいるブリーダーとは、例えばゴールデンレトリバー等の特定犬種が好きで、
その犬の特性を生かしたベストな子犬を繁殖させたいと考えている人である。
軽視や差別ではなく、繁殖業者とはビジネスの目的も体制も違うのだ。
いい犬を繁殖するには、犬種によっても異なるが子犬1匹に何万円ものお金がかかる。
母犬の出産のケアにはじまり、子犬の健康を維持しながら社会化させ、新しい家庭に届けるのだから。
繁殖業者が生き残れるのは、買う人がいるからだ。
たとえば、ブリーダーから買うと1匹30万円する犬種が、あるペット店では1万円で売っていたとする。
そこで1万円の犬を選ぶ消費者の無責任が、いちばん悪いと思う。
その犬は「繁殖業者→ペットオークション(競り市)→ペット店」という流れをたどって
販売される。
日本のペット店の多くは競り市(オークション)で犬を入手する。
消費者の需要があるから存在し、売れる電化製品などと同じように大量につくられる。
唯一の違いは、賞品が生きていることだ。
本来は繁殖業者が、売れ残った犬や置いた繁殖犬の安住の地を見つけるべきだと思う。
ここに経費を費やせなければ、モノと同じように産業廃棄物処理業者的な引き取り手に頼るか、
捨てるか、世話もせずに放っておくかだ。
殺処分を行う行政を悪者にした殺処分ゼロ運動を受け、動物愛護法改正で行政は
引き取りを拒否できるようになった。
しかし、中には噛むなど重度の問題行動から社会筆記できない犬もいることと、
その後の新たな飼い主への譲渡の可能性もあり、行政の引き取りは最後のとりでと考える。
問題の原因の一端は、安くて可愛い流行の子犬を欲しがる消費者だ
ということを忘れてはいけない。
道を歩けば大量遺棄が報じられたミニチュアダックスフンドやトイ・プードルばかり。
漫画の影響でシベリアンハスキーが流行した時期もあったが、飼うのが難しくブームは去った。
流行を煽っているのはメディアでもある。
犬を取り巻く人たちが少しづつ加担して開いたブラックホールに
一番弱い犬たちが落とされているのだ。
日本のペットビジネスでは、整体を売ることが大半を占めている。
現状をすぐに変えるのは無理だろう。
今ある動物愛護法をじっくり運用するためには、動物管理行政の予算も人員も少なすぎる。
動物取扱業者は登録制となったが、査察も十分ではない。枠組みを充実させる必要がある。
米国では子犬の繁殖場の体制を規制する法律が、州別に成立しはじめている。
動物福祉が先進的なオレゴン州では、飼育頭数や繁殖回数の制限、職員の配置比率、
飼育場所以外での犬の1日の運動量などがこと細かく決められているのだ。
また、日本で横行する「愛護」という言葉は、動物目線ではなく非常に人間の
主観的なものだ。
責任ある賢い消費者の教育も欠かせない。
そのためには、ペットに関わる専門家がまず現実を学ぶ必要がある。
<朝日新聞>より
にほんブログ村
思わず手を止めて読んでしまったら、すごく自分のいいたいことに近いことが書かれていたので
スクラップしました。
ぜひ、読んでみてください。
<論点_相次ぐ犬の遺棄問題について>
ペット問題研究家、山崎恵子さんの論点。
「消費者にも責任の一端」
この問題の根っこを理解するには、ペットしての犬を取り巻く現状を多面的にとらえなければならない。
まず、売れ筋の犬種を何種類も大量繁殖させるのは「繁殖業者」であり
「ブリーダー(=繁殖家)」ではない。
私の周りにいるブリーダーとは、例えばゴールデンレトリバー等の特定犬種が好きで、
その犬の特性を生かしたベストな子犬を繁殖させたいと考えている人である。
軽視や差別ではなく、繁殖業者とはビジネスの目的も体制も違うのだ。
いい犬を繁殖するには、犬種によっても異なるが子犬1匹に何万円ものお金がかかる。
母犬の出産のケアにはじまり、子犬の健康を維持しながら社会化させ、新しい家庭に届けるのだから。
繁殖業者が生き残れるのは、買う人がいるからだ。
たとえば、ブリーダーから買うと1匹30万円する犬種が、あるペット店では1万円で売っていたとする。
そこで1万円の犬を選ぶ消費者の無責任が、いちばん悪いと思う。
その犬は「繁殖業者→ペットオークション(競り市)→ペット店」という流れをたどって
販売される。
日本のペット店の多くは競り市(オークション)で犬を入手する。
消費者の需要があるから存在し、売れる電化製品などと同じように大量につくられる。
唯一の違いは、賞品が生きていることだ。
本来は繁殖業者が、売れ残った犬や置いた繁殖犬の安住の地を見つけるべきだと思う。
ここに経費を費やせなければ、モノと同じように産業廃棄物処理業者的な引き取り手に頼るか、
捨てるか、世話もせずに放っておくかだ。
殺処分を行う行政を悪者にした殺処分ゼロ運動を受け、動物愛護法改正で行政は
引き取りを拒否できるようになった。
しかし、中には噛むなど重度の問題行動から社会筆記できない犬もいることと、
その後の新たな飼い主への譲渡の可能性もあり、行政の引き取りは最後のとりでと考える。
問題の原因の一端は、安くて可愛い流行の子犬を欲しがる消費者だ
ということを忘れてはいけない。
道を歩けば大量遺棄が報じられたミニチュアダックスフンドやトイ・プードルばかり。
漫画の影響でシベリアンハスキーが流行した時期もあったが、飼うのが難しくブームは去った。
流行を煽っているのはメディアでもある。
犬を取り巻く人たちが少しづつ加担して開いたブラックホールに
一番弱い犬たちが落とされているのだ。
日本のペットビジネスでは、整体を売ることが大半を占めている。
現状をすぐに変えるのは無理だろう。
今ある動物愛護法をじっくり運用するためには、動物管理行政の予算も人員も少なすぎる。
動物取扱業者は登録制となったが、査察も十分ではない。枠組みを充実させる必要がある。
米国では子犬の繁殖場の体制を規制する法律が、州別に成立しはじめている。
動物福祉が先進的なオレゴン州では、飼育頭数や繁殖回数の制限、職員の配置比率、
飼育場所以外での犬の1日の運動量などがこと細かく決められているのだ。
また、日本で横行する「愛護」という言葉は、動物目線ではなく非常に人間の
主観的なものだ。
責任ある賢い消費者の教育も欠かせない。
そのためには、ペットに関わる専門家がまず現実を学ぶ必要がある。
<朝日新聞>より
にほんブログ村