ワールドショーから帰ってきました。
そしてハンドラー氏とショーチームは、ただちに山形に向かいました。
ブログ担当者は、子犬たちのお世話があるために、お留守番です。
ワールドショーでは、今年も自分たちの納得のいく、そして来年への確信につながる
成果をもって帰ってくることができました。
連れて行ったコーギーのザックとレニーは、ワールドショー、ブダペストキャシブショーともに
エクセレント評価、レニーはどちらも2席入賞、ザックはブダペストキャシブグランプリで
オープン2席、ワールドショーでも最大エントリーのオープンドッグで最後の5頭のショートリストで
エクセレント評価をもらうことができました。
100頭近い出陳犬のうち、エクセレントがもらえるのはごくわずかですから、ヨーロッパの
ドッグショーでは、エクセレント評価というのはブリーダーがケネルに額に入れて飾るほど
意味のある評価だと言われています。
ジャックラッセルテリアも、自分で持っていった犬は今回少なくて牝だけでしたが
ノルウェー、アメリカ、ドイツからオーナーさんが連れてきてくれた自分の繁殖犬が
大集合したので自家繁殖犬は合計6頭のエントリーでした。
慣らしで連れて行った、ドイツのオーナーさんに渡すパピー以外は出陳した犬全員
ブダペストキャシブショー、ワールドショー、そしてヨーロッパ最大のテリアクラブ
INTERRAで、すべてエクセレント評価。
ジュニア牡 KATOがブダペストグランプリ2席、ワールドショー3席、INTERRA1席でした。
オープン牡 TOFFERがブダペストグランプリ3席、ワールドショー2席でした。
どちらも、40頭近いエントリーのなかからの上位入賞で、感動でした。
ブダペストキャシブグランプリは、ハンドラー氏とともちゃんがザックとレニーの
ショーに行ったため、ブログ担当者は初めて、なんと6頭もの犬を自分で準備して
次々ハンドリングするという、自分にとってはけっこうな試練でした。
牝もスノーウィがチャンピオンクラス牝で2席、エクセレント。
マーヤがオープンビッチ牝で1席、エクセレント。
マーヤはINTERRAでもオープン1席、エクセレント。
スノーウィも3日間すべてエクセレント評価でした。
今年は、自分のメインの勝負犬であるユキオさんがアメリカへ、アーレイがオーストラリアへ
それぞれ留学中のため、スペシャルの勝負犬がいなかったので、今年は自家繁殖犬の
それぞれのクラス入賞を目指しての参加でしたが、無事、目標をクリアしました。
複数頭の出陳をして、すべての犬でエクセレント評価をもらえるというのはブリーダーとしては
ベスト・オブ・ブリード以上に意味の重いことで、安定した繁殖に対する評価だそうです。
すべてのクラスで、席次入賞、エクセレント評価というのは、自分ともう1件のブリーダー
しかもらえませんでした。
そういう意味で、ブリーダーとして、重みのある結果でした。
まだ報告は山ほどあるのですが、とりあえず、ブダペストキャシブグランプリの写真を
何枚かもらったので、アップします。
今年は、犬の世話とショーの準備とでいっぱいいっぱいで、全然写真が撮れませんでした。
また、アメリカ、ドイツ、ブラジル、ノルウェー、オーストラリアから自分の繁殖犬の
オーナーたちが集まってくれたため、ものすごいインターナショナルチーム!だったのは
良いのですが、みんなの喋る英語がほんとにてんでバラバラで、帰ってからしばらくは
頭がずんずんしました。
2011年、ハンドラー氏とはじめて行ったワールドショーは、まさに「アウェイ」で
リングサイドの片隅に、ポツンとテーブルを1つ組んで、ものすごい孤独感がありました。
2012年のザルツブルグを経て、今年は、自分の繁殖した犬を連れてオーナーさんたちが
あちこちから飛行機に乗って集まってくれて、私たちのパドックは、イタリアチームに次ぐ
大きなものになり、人がひっきりなしに訪れ、ほんとうに賑やかなものでした。
このパドック、この賑やかな人の集い。
これが、自分たちがこの数年間かけて築いたものなのだと思ったら、胸にこみあげるものが
ありました。
アウェイもいつかは、ホームにかわる。
そう信じて、人と人のつながりや絆を大事に犬育てをしてきたけれど、今年はそのことを
ほんとうに、よかったと思いました。
子犬も、売っておしまいではなくて、自分が送り出した犬とこうしてワールドショーで
再会して、ショーの時間を共有できるということは、ほんとに素敵なことだと思いました。
ジャックのリングよりさらに歴史があり重厚で、トラディショナルで、コンサバティブな
コーギーのリングも、この5年以上、この輪に入ることがほんとうに難しくて
いつだって隅っこのほうでちんまりと準備して、静かに粛々とショーをし続けてきましたが
今年は、レニーのブリーダー、DRAGONJOYのキアラや、オランダのブリーダー、ロシアのブリーダー
みんなが席次入賞するとお祝いの言葉をかけてくれたり、ようやくこの輪の中に
入れたという実感がありました。
外国にショーチャレンジする人が、増えています。
自分の犬が、世界の舞台でどれくらいの位置づけなのか。
繁殖に適した犬なのか、この犬種の未来を正しく維持存続させられる1頭なのか。
それを知るには、必要なチャレンジなのかもしれません。
今回、ドイツのブリーダーの友人に世話になり、ブダペストまでの往復を共にし
帰国までの数日、ドイツのブリーダーケネルに滞在して時間を過ごしました。
そこで出てきた話。
ドイツでは、繁殖をするにあたって、最低2回はドッグショーに出陳して、FCI7段階評価の
VERY GOODを2回以上もらわなければ、繁殖をしてはいけないのだそうです。
FCIの評価は、EXCELLENTからはじまって、7段階の評価になります。
VERY GOODは上から二番目の評価です。
けれど、ドイツでは、欠歯や健全性を損なう要素を審査員が見出せば、VERY GOODの
評価を付与してもらうことは難しく、従って、繁殖をすることもできないのだそうです。
このようなルールを徹底することによって、ドイツでは繁殖する犬のクオリティを
一定以上にキープするとともに、不健全なものを未来に継承することを防ぐ予防措置を
とっているのだと思います。
まさに、ドッグショーは純血犬種を守り維持存続する場であり、ドッグショーの審査員もまた
犬種の番人たる存在として、厳然と審査をしなければならないという仕組みがあるそうです。
ヨーロッパのドッグショーに行くと、往々にしてドッグショーとはそのような役割を担い
その日に勝ったか負けたかより、審査員による「評価」これがとても重んじられます。
ちなみに、ワールドショーの際の評価とはこんな感じです。
これは、コーギーのRENEEの評価。
左下に7段階評価が羅列され、その最上級評価であるEXCELLENTの項目にチェックがされています。
さらにその下には席次。
2席だったので、席次のところにチェックがされています。
もう少し小さなショーであれば、これにさらに、その犬の審査短評が各項目ごとに
記されるのですが、ワールドショーや、キャシブ・グランプリなどの大きなショーでは
このような用紙が予め用意され、こうして7段階の評価と席次を記された紙をかならず
渡されます。
しかし、審査の途中でも、VERY GOOD評価やそれ以下だと、個体審査を受けたあとに
スチュアードがスタスタとこの紙を持ってきて、それを渡されると、リングアウト。
お帰りください、となる場合も有り、最後までこの紙を渡されないと、最後のショートリストに
残ったということで、だいたいの場合が、エクセレント評価につながるようです。
これは、マーヤのINTERRAの短評。
エクセレント評価、そして1席のところにチェックがついています。
ワールドドッグショー、スノーウィもエクセレント評価でした。
ブリーダーにとって、何よりも大事なのはこのエクセレント評価です。
それは、審査員から、あなたの犬は繁殖に適する資質を備えた健全な犬であるという
太鼓判をもらうような意味あいがあると、思います。
審査員にとっても大変なことだと思います。
仮に、これまで何人ものスペシャリスト・ジャッジがエクセレント評価を下した犬に
もしも自分がベリーグッドを出してしまったら?あるいはその逆をしてしまったら?
評価短評というのは紙に残るし、永遠に残るものですから、審査員も誤った審査をしないよう
1頭1頭、より真剣に、責任をもって審査をしなければならない、とのことでした。
ヨーロッパのドッグショーの歴史は古く、かならず、それは繁殖そして犬種の保護、維持、存続
という目的に基づいています。
ですから、これらのルールをそのまま日本に持ってくるというのは難しいかもしれないけれど
自分の犬の評価を知る、ということは、出陳者あるいはブリーダーにとってはすごく
良いことだし、繁殖をする上での指針になるだろうし、また、あきらかに、するべきでない繁殖、
してはならない繁殖をストップする、歯止めになってくれるんじゃないかと、おもいました。
まだまだ、話したいことがたくさんたくさんあるのですが、また次のブログにアップします。
今回はとにかく、忙しくて、犬たちを世話して、準備して、ショーに出すことに精一杯で
なかなか、たくさんのお写真を撮ることができませんでしたが、リングサイドで
撮ってもらった写真などを少しづつアップしたいとおもいます。
今回、アメリカから遠征してきた自家繁殖犬のKATOをショーに出して、オーストラリアの審査員
Janith Campbellが約40頭のジュニアクラスから2席にし、INTERRA SHOWでは同じくオーストラリアの
Kemp Campbell氏が37頭のジュニアクラスから1席にし、インテラジュニアウィナーに上げて
その2審査員の審査後の短評(コメント)が、「世界で最も美しいスムースコートのジャックラッセルで
この犬は、この犬種の未来にとって大変重要な1頭になるだろう。」というものでした。
このような嬉しい言葉をもらったら、ブリーダーは一生、頑張っていけるとおもいました。
ジュニアクラスの2つに分けた半分でこの数!めちゃくちゃいっぱいエントリーがありました。
また、今年は、ずっと夢だったベテランクラスへの挑戦・・・の予定が規定の8歳まで2ヶ月足らずで
一般のオープンクラスでチャレンジしたまもなく8歳のマーヤが、連日の1席入賞そして
オール・エクセレントという評価で、これはブリーダーとしてというより愛好家として
大事に育ててきてよかったなと、おもいました。
来年こそ、ベテランで挑戦できたらいいなと、おもいます。
ワールドショーは、ただ、勝つためだけに行くのではなく、自分の情熱や犬種への思いを
世界に向けてプレゼンテーションしに行く場だと、おもっています。
だから、この犬種に必要なのは良いスムースコートだと信じてスムースを連れて行き、
いくつになってもショードッグを大事にするブリーダーでいたいという気持ちをもって
8歳になる子を連れて行き、ブリーダーとしての指針表明をする場として今年もまた充実した
遠征になったと思います。
コーギーのリングからは、犬たちの最高のコンディションやショーイングの内容について
たくさんの人に褒めてもらいました。
自分たちが愛情をもって、この犬種をショーイングしていることが伝わったことが
なにより、良かったなと思います。
自分たちのドッグショーに向き合う思い、ドッグ・ブリーディングにかける情熱が
少しでも伝わって、仲間が増えてくれたら、超ハードな遠征も、行った意味があるなと思います。
英国の有名ジャッジ、リズ・カートリッジ氏からのレニーの席次入賞は
何よりうれしい結果でした。
今回の旅で思い出深かったこと、それは。
フランクフルト→ドレスデン→ブダペスト。
空に向かってドライブするみたいに、永遠につながる地平線という感じで
一面に咲く菜の花に圧倒されて、あまりの美しさにいまも頭に焼きついてます。
ブダペストの町もお城も観光も、なんにもできなくて、正直ブダペストが
どんな町だったのか、わからないままだけれど、この菜の花だけは最高に素敵な
思い出です。
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