昨日、FCIジャパンインターナショナルドッグショーが終わりました。
いつものドッグショーと同じように片付けして、いつもと同じようにノンストップで
その日のうちに浜松に戻り、犬たちのエクササイズして、ごはんをあげて、洗濯物などを
バスから降ろしてそのままぐったり、お風呂も入らずダウンでした。
今日は疲れて朝からグダグダで、とりあえず、犬たちのこととデスクまわりの
絶対やらなきゃならないことだけ済ませて、あとはちょっとお休みしました。
今年も、本部展が終わりました。
土曜日は、会場付近の道が封鎖されるほどの悪天候だったのだと
今日になって知りました。
インドアだったので、外で何が起きてるかまったく分からないくらい
バタバタとドッグショーのリングとリングを駆け回ることに精一杯でした。
今年の本部展は、いろんな意味でいい夢を見ることができたとおもいます。
ドッグショーには、夢があるなと、おもいました。
ウェルシュコーギーペンブローク ZAK Winners Dog&Award Merit.
この本部展から、わたしたちはZAKをチームの柱としてまたショーチームを
組んでいくことになります。
まだ若いZAKですが、ヨーロッパの審査員がこの犬をどのように評価するのか
それは、胃が縮み上がるくらいのプレッシャーがありましたがそれでも
リングに入った瞬間に、なにがしかの確信めいたものを感じたような気がします。
ウィナースに選ばれ、B.O.B戦。
ZAKは、アワード・オブ・メリットに選ばれることができました。
まだ、つい先日ジュニアクラスからヤングアダルトクラスに入ったばかりです。
それでも、この犬の可能性や犬の本質を見抜いてもらえたと思い、それは
まだ若いZAKの未来につながる大事な一歩だと思い、十分な手応えを感じました。
ケアーンテリア RIKIMARU Best Of Breed.
まだ若い頃からショーに出てきたリキですが、本部展で、タフな競合のなかから
ベスト・オブ・ブリードを獲得するというのは、目標のひとつだったと思います。
なにより、べストのコンディションでショーリングに送り出すことができ
コートの状態、厚み、ハンドラー氏が納得のいくコンディションまで
磨き上げることができたこと、それを見守ってくださったオーナーさん
みんなの思いが形になってほんとうによかったと思います。
またこの本部展をターニングポイントに、オーナーさんとともに次のステップへ
ともに歩んでいかれたらと思っています。
ジャックラッセルテリア Energy&Snowy
これまで、本部展でジャックラッセルテリアがグループ1stをとったことは
なかったと思いますし、そんな時代が来ることは数年前には予想もできませんでした。
2年前の本部展では、ルクセンブルグの審査員でサブちゃんがグループ2席でした。
犬種ファンシャーとして、ジャックラッセルテリアでテリアグループ1席を。
これは、長年の夢でもありました。
どれほど磨いても、ワイアーフォックステリアやエアデールテリアなどの
トラディショナルな長脚テリアの美しさに到達することは難しいし
ピカピカに磨き上げられたスコティッシュテリアなどの美しさには
完成度として到達することはすごく難しい犬種であると、自分たちが
ほぼ通年してフル・エントリーしているからこそ痛感する犬種です。
数年前までは、グループプレイスメントスすら、なかなか叶いませんでした。
それでも、好きな犬種をショーに出しつづけ、模索し続けてきてよかったです。
想い続けることは、きっと、叶うということをエナジーが教えてくれました。
エナジーが日本に来たことも、自分たちにとってもサプライズであったし
ともに旅したパリ、アメリカ、そして日本中のドッグショー。
エナジーは自分たちに、いろいろなことを教えてくれたし、夢をくれたと思います。
エナジーがグループ1stをとったとき、すぐにオーストラリアのオーナーのサイモンに
電話して伝えたら、サイモンも半分泣いているし自分も泣いていたし、
こういう出会いができたことも、自分たちはとてもしあわせだと思いました。
そして、牝。
今年エントリーしていたチャンピオンの牝MAYAは、日本でも軒並みのタイトルをすべてとって
オーストラリアのスペシャリティーショーでも、R/U Best In Showをとって
この本部展が最終目標で、ある意味では勝負をかけていました。
でも、今回はちょうどシーズンと重なり、エナジーとの赤ちゃんを待ち望んでいたので
アブセント(欠場)しました。
このマーヤは、なぜか本部展だけはいつもアクシデントに重なって、毎回毎回
本部展には縁がなかったから今年こそ!と思ったらシーズンになり...やっぱり
本部展には縁のない子だったようです。
今年、自家繁殖犬は、ジュニアクラス牡、アダルトクラス牡、ジュニアクラス牝
チャンピオンクラス牝をエントリーしましたが、アダルトの牡のスカイ君が
ウィナースでチャンピオン完成しました。
牝は、昨年11月にオーストラリアからブリーダーたちが来た時に
すべてのパピーをチェックして、ファーストピック(1番に選んだ)牝でした。
遅咲きだろうけれど、絶対に大成するから手放すなと言われた子で
とはいえ、本部展時でジュニアクラスに入ったばかりでまだまだ若すぎるので
運良くウィナースまでとれたら御の字と思って連れて行ったのですが
願い通り、ウィナースまではとれましたがその後、B.O.B戦。
なんと、そのジュニアクラスの自家繁殖犬がベスト・オブ・ブリードに選ばれました。
B.O.B犬はリングで写真を撮れるのですが、カメラマンの到着が少し遅れたので
カメラマンがリングに来るのを待っている間、ジャッジは、
「この子をバッグに入れて家に連れて帰りたい」となんども言ってました。
「でも、この子はまだ若いし、完成度が足らないと思う」とわたしが言うと
「だから、触診のときに2回、年齢を聞いたんだ」と言われました。
つまり、成熟度が足りないのは9ヶ月なのだから当然のことで、しかしこの犬の
将来性を考えた上でベスト・オブ・ブリードにあげたのだと。
あともう1点、この犬種をブリーディングしていくうえで最高の評価をもらった点が
ありましたがそれはここでは控えます。
ブリーダーとして自分たちがいまいちばん大事に考えている部分だったので
それに気づいてもらえたことが、ものすごく嬉しかったです。
この点は、今後世界で自分の犬たちをショーイングし、勝とうと思ったらば
絶対に、不可避の部分であるので、その点を評価されたことは大変に嬉しいことでした。
父・娘でBEST OF BREEDをもらえたことも嬉しかったし、まだ若い犬が
入賞したことで、また来年がんばろうという目標をもらいました。
また、牝のB.O.B犬の母犬と、今回の牡のウィナースドッグは同胎の兄弟で
その母犬も、父犬も、祖母犬も、すべて我が家にいる子たちなので
家に帰って、子どもたち、孫たちの活躍を、犬たちに報告しました。
エナジーはこの本部展をもって、日本でのドッグショーは最後となりました。
自分たちにとって、彼は最高のショードッグであり、最高のともだちであり
最高のスタッドドッグでもありました。
自分たちのもとに、たくさんの素晴らしい子どもたちを、残してくれました。
エナジーと海外、そして日本中を旅した日々をきっと忘れないとおもいます。
ワイアーフォックステリア CINAMMON&JENNY.
先ほども書きましたがブリーダーとして単独展や本部展はがんばってなるべく
たくさんエントリーして犬種を盛り上げたいと思う気持ちがあり、ワイアーも
牡・牝 合計4頭エントリーしました。
牡は、シナモンがオーバースペシャルでBest Of Breedを獲得。
牝はジェニーがB.O.Bの後、テリアグループ2席に入賞しました。
ジェニーはひとまずこれで日本のショーはお休みして、これから準備して
6月からアメリカのショーを走ることが決まっています。
その前段階として、今回、スウェーデンのジャッジよりのグループ2席入賞は
とても嬉しく、未来につながる意味ある入賞だったと受け止めています。
ワイアーフォックステリアをブリーディングして、ようやくようやく
ブレッド・バイ(自家繁殖)で、本部展で上位入賞できる犬質のワイアーが
できるようになってきました。
ここまでの道のりでは、方向転換や、解釈の転換など、じつにいろいろなことを
考えさせられ、ようやくここに至ったようにおもいます。
今後は、このジェニィはアメリカでショーイングし、その後はまたヨーロッパに向けても
ショーイングしていきたいと思っています。
今年は、エナジーがテリアグループ1席という成績でそれはもちろん
目標としていたことだから嬉しかったし、でもそれ以上に、子どもたちが
これからの可能性を見せてくれたことに、大きな喜びを感じました。
ここからまた1年間がんばって、今度は自家繁殖犬で、またテリアグループ代表犬に
なれるよう、犬たちを大事に育てていきたいとおもいます。
毎年、本部展はひとつの節目となって、チームもまた、あらたな1年を迎えます。
わたしたちは、また若い犬たちと共にあらたな、強いチームをつくらなければならないし
次のスタードッグを、育てていかねばなりません。
いきなりスタードッグになれる犬は、いません。
でも、スターになれる可能性に満ちた犬は、たくさんいます。
その犬たちをいかに大事に育て、どんなときでもショーリングの中が世界一楽しい
そんな顔をしてリングに向かえる子を、育てていかねばなりません。
自分たちを引っ張ってくれた、力強いショードッグたちに心からの感謝と愛情を持ち
また、チームは次のステップに向かいます。
次の本部展を迎える頃、チーム・クランバーアップはどんなチームになっているだろう。
そんなことを考えながら。
今年は、ハンドラー氏と、レベッカと、グルーマーさん3名、新人アシスタントさん1人、
うちのチーフ、友人、たくさんの人たちがセットアップパドックで朝から手伝ってくれたので
2日間ともに、ミスなく、事故なく、ロスなく、万全の体制で犬たちを
ショーすることができて、それはなによりも、なによりも、安堵しています。
1日目は20頭近い犬をショーしたので、まさにパドックは戦争状態でしたが
犬たちはすごく良い状態でショーができたとおもいます。
良い犬と、良いスタッフと、信じ見守ってくれるオーナーさんと、すべてがあって
良いショーチームをつくることができると、いつも、思っています。
ハンドラー露木浩とこのチームに関わり、ついてきてくれるすべての人たちに
心から、感謝の気持ちでいっぱいです。
たとえ、良い犬がいても、良いハンドラーと巡り合わなければその犬は
陽の目を観ないかもしれないし、もちろん、良いオーナーとめぐり合い
良いハンドラーとめぐり合ってこそ、良い犬は、良い犬として多くの人の目に触れ
そして、犬種の未来になにがしかの貢献を、果たすことができるのだとおもいます。
ドッグショーはもちろん、勝ち負けを大事にする世界ではありますが、同時に
この犬が、犬種の未来になにをもたらすのか。
犬種の未来になにかをもたらすであろう、しかるべき犬が勝っているだろうか
そういうことを冷静に考えられたらきっといろいろなことが、未来につながる
大事なエッセンスとなって、生きてくるだろうとおもいます。
本部展が終わって、疲れきって、足もガタガタで、頭もぼーっとしていて
今日はもう、くたくたのフラフラで、まだ本部展の自分たちの洋服のバッグも
解体できていませんが、明日はそのバッグを解体して、そのままスーツケースを
パックして、明後日からはオーストラリアに行ってきます。
また、あらたな犬と会うために、行ってきます。
これから会う犬が、次なるスタードッグになれるのか、あるいは
自分たちのブリーディングにどのような良い影響をもたらすのか
そういった点をみきわめるため、それから、原産国のブリーダーたちとの
ミーティングと、勉強会もあるので、今回もめいっぱい、勉強してきます。
ハンドラー氏とともに、ほぼ毎月ペースで海外のショーに足を運んでいますが
こうして自分たちの目を育てること、海外のブリーダーたちとディスカッションを交わすこと
これらの小さなアクションのひとつひとつが、自分たちの学びの場となり犬識となると
そう思い、貧乏暇なしで、必死の時代を生きてます。
少なくとも、良い犬の人たちとのコミュニケーションこそが、自分たちのパッションや
あるいはドッグショーへの夢や思いを、ささえてくれるなによりのものだと
そう思っています。
めげそうになる日もあるし、いろいろな中傷にウンザリする日もあるし
雨や風や寒い日のドッグショーに心折れそうになる日もあるし、
犬のことをしていれば365日24時間で、なかなか自分たちの落ち着いた暮らしには
ほど遠い毎日で、つかれたなあと心底思う日もありますがそれでも
ドッグ・ブリーディング、ドッグ・ショーイングの奥深い世界に魅了され
この情熱を絶やすことなく、前に進んでいきたいと、おもっています。
今年は、チームの若い犬たちが活躍し、チームの未来に光を見せてくれました。
本部展は、自分たちにとって、節目のドッグショーです。
また、姿勢を正し、気持ちを新たに、良いショーチームをつくって
来年も、挑戦していきたいとおもいます。
今年もまたドッグショーの神様に、夢と宿題をもらった本部展でした。
自分たちの心にパッションがあれば、ドッグショーは夢の舞台になります。
来年も、がんばります。
今日はぐっすり寝て、明日と明後日はめいっぱい仕事して、オーストラリア行ってきます。
今年も、本部展が無事に終わりほっとしています。
そして、来年へのチームづくりも、スタートしています。
来年、今年よりもっと良いショーチームになるよう、ハンドラー、スタッフ一同
努力してまいります。
6月以降年末にかけて、ショーチームには少なくとも5頭ほどのあたらしいスタードッグの
タマゴたちが来日することが決まっています。
そのタマゴたちを磨いて、ダイアモンドにできるかどうかは、自分たちの日々の努力と
細やかな愛情にかかっている、そうおもいます。
自分たちをささえてくれるスタッフと、信じ見守ってくださるオーナーさんと
困ったときに手を貸してくれるたくさんの方々と、
がんばってくれるショードッグたち、そして
いつもけなげに留守番して待っていてくれる、大切な愛犬たちに、感謝をこめて。
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