こんばんは。
アメリカから戻って神奈川インター、その後もあたふたと日々を過ごしています。
アメリカからの疲れがそのまま神奈川インターに持ち越して、インターが終わったら
どっと疲れきっています。
アメリカ出発前に生まれたパピーたちも、すくすくと、驚くほどの成長を見せてくれます。
なんだかこの数日、パソコンに向かって作業しようとすると、頭がチカチカして
パソコンの画面に酔ってしまうような感じで、なんとなく疲れを引きずってます。
とはいえ、パピーたちのふくふくした寝顔を見ていると気持ちがほっこりしますね。
うちでは、お母さん犬が産後やつれしないよう、母乳がしっかり出るよう
日になんども、ミルクやスクランブルエッグやゆで卵、お肉などの高たんぱくなものを
たっぷりあげて、お母さん犬もリフレッシュの時間が必要なので
朝、昼、夕方、夜と外の空気を吸ってエクササイズも欠かしません。
おかげで、お母さん犬も外に出るとき以外は充実した育児が出来るし
母乳もしっかり出るので、今回も人口哺乳なし、すべて母乳で、パピーたちは
まるで大型犬の赤ちゃんみたいに、ふくよかに、すくすくと発育しています。
温度、栄養、愛情、排泄など、すべてに満ち足りているパピーは
まったく声を発することなく、もくもくと眠ったり、兄弟に寄り添って
はいはいしたり、パピーたちがいるとは思えない静けさ。
これも、離乳がはじまったらにぎやかになってしまうんですけれど。
とにかくまめに、お母さん犬の栄養や運動を補給してあげるのがまず
授乳期には大切なので、なんだかんだと気づけばそればっかりで1日が過ぎていきます。
授乳中のお母さん犬とは思えないくらい、運動もたっぷりするんですよ。
意外にも、外に出てしまえばさっきまで夢中で子育てしていたこともすっかり忘れて
ボール投げや草むしりに夢中になってしまうのが微笑ましい。
まだ目も開かないような頃から、手をかけていることや、声をかけていること
その環境条件は、その後を左右するファクターになるというようなことが
今月号のGazetteにも書かれていて、大変に興味深い記事でした。
アメリカのドッグショーに行くと、ショーの雰囲気もまた一味違います。
これは国民性の違いもあると思うのですが、アメリカのショーでは
ギャラリーはあたりまえのように声を出したり、拍手をしたり、歓声、応援が飛び交います。
これがBEST IN SHOW戦ともなれば、驚くほどの大きな声や拍手や歓声の中で
犬たちはドッグショーに集中することになるのです。
あまり感情表現を表に出さない日本のドッグショーでは考えられないくらいに
アメリカでは、犬やハンドラーの表現も豊かですがギャラリーもたいそうにぎやか。
さらに、先日のウェストミンスターのB.I.Sの際に起きたハプニングのように
いきなり、アンチ純血種の運動家の乱入やら、それに対するブーイングなど
犬にとっても、突発的なことがリングの中で起きる場合もあります。
他犬の美しいプレゼンテーションに、会場中が沸きあがることもあります。
おそらく、多くの日本の犬はあの舞台に行ったら、慣れるまでは驚いてしまって
ショーにならないのではないでしょうか。
アメリカのブリーダーケネルでは、キッチンにパピーのゲージを置いて
ときには、食材の欠片をあげたり、テレビの音量を上げたり、水の音や
皿の音、電話の音など、さまざまな音に慣らします、これもパピートレーニング。
また、わざとパピーのゲージのそばで袋に入れたお皿を割ってみたりして
突発的な音にも慣れさせるトレーニングを行います。
そうして、あの陽気でおおらかなハートを育てていくのでしょう。
こちらのケネルでも、まったく同じように、パピーたちはキッチンダイニングで育ち、
テレビの音、人の声、キッチンの喧騒、ぜんぶ聞こえる中で育てています。
これってものすごく大事なことだと思います。
先日、ある訓練士の先生による「猿追い犬=モンキードッグ」の訓練について
お話を聞かせていただく機会に恵まれましたが、行政からの委託の場合に
純血犬種だけでなく、保健所からのレスキュードッグをモンキードッグに
リ・トレーニングして育成するというプログラムが考えられたそうですが
それは、予想をはるかに超える難しさなのだそうです。
そもそも人間に対して不信感を抱いていたり、人間とふれあったことのない犬を
トレーニングして、人間への忠誠心をモチベーションとするワーキングドッグに育成するのは
大変に難しいそうで、やはりどのような訓練も基本になるのは
「どれだけかわいがられて育ったか」、ということなのだそうです。
手をかけられ、かわいがられて育った犬は、人を心から信じ、忠誠を尽くす
パートナードッグとなってくれることでしょう。
だからわたしたちは、できるだけ手をかけて犬たちを育てたいと思っています。
ちなみに最近うちでは、うちのワイアーやジャックをモンキードッグにできないかね?
って話で大いに盛り上がっています。
モンキードッグとは、農作物などを荒らしてしまう猿の被害を防ぐため
猿追いという害獣駆除をするお仕事犬のことです。
ちなみに、猿を殺したり、噛み付いたり、傷つけてしまうことは一切禁止で
指示に従って威嚇し、農作物への被害を防ぐことにとどめることが
訓練のポイントなのだそうです。
追っかけるだけなら、どこまでも〜って感じですね、うちの犬たちは。
訓練もショードッグの育成も、まずは愛情をかけて育て、信頼や安心感をはぐくむ
というのが、まず第一歩ではないでしょうか。
ということで、たまりにたまったN.Yリポートをアップしていきます。
まずは、ウェストミンスターの数日前からのニューヨークリポート。